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2016/02/18

誰の肌を綺麗にしますか?化粧品ブランドの立ち上げはターゲット設定からはじめよう

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綺麗創造ラボ

化粧品ブランドの立ち上げで、最初になすべきはなんでしょう?

 

「モノづくり」が得意なみなさんはつい、「いい化粧品さえつくれば売れる」とばかりに、商品スペックやらラインナップといった具体案づくりに突入してしまいがちです。でも、ちょっと待ってください。化粧品本体をつくる前に、「どんなお客様(ターゲット)のためにつくるのか」を決めることが、商品の売れ行きを左右するのです。

 

なぜターゲットの設定が重要なのか?

経営コンサルタントの方々はよく「ブランドアイデンティティを確立するために、ターゲットの設定が重要!」という言い方をします。

 

ブランドとは、商品やサービス、社名を見たり聞いたりしただけで「ああ、あれね。いいよね」と思ってもらえるような「独自の個性」「魅力」をお客様に具体的にイメージさせる力。数えきれないほどのライバルの中から抜きん出て「信頼され」、「欲しい」「買いたい」「利用したい」と思わせ続ける力となるのが理想であり、その理想をしっかりとしたカタチにするのが「ブランドアイデンティティの確立」です。

 

理想的なブランドさえ確立できてしまえば、その後の展開はかなり楽になってきます。新商品を出した時でも「ああ、あのブランドの商品なら安心だし、効果が期待できるから買ってみようかな」と思ってもらえるからです。

 

では、どうやったら力のあるブランドをつくり、ブランドアイデンティティを確立することができるのでしょうか。まず行うべきことは、「この化粧品で誰を、どんなふうに綺麗にしたいのか」というターゲットを明確に設定する作業。つまり、この化粧品は「あなたのためにつくったのですよ」とはっきりさせることなのです。

 

ターゲット像はできるだけ具体的に考える

ターゲットの設定は、できるだけ具体的に行うのが基本です。
私がコピーライターとして参画してきた化粧品メーカーは例外なく、性別、年齢、抱えている肌の悩み、憧れの女性像、職業、居住地域、既婚・未婚、好きなファッション、購読している雑誌、よく観るテレビ番組、よく訪れる街、趣味、子どもの有無等々、実にきめ細かく、具体的な「メインターゲット」を設定していました。「化粧品ブランドなんだから、どんな肌の悩みを抱いているかさえ設定すればいいんじゃないか」と男性なら思ってしまうかもしれませんが、それでは不十分です。より具体的に想定しないと、ターゲットにどんぴしゃの化粧品はつくれないからです。

 

ドモホルンリンクルに学ぶターゲットの設定方法

たとえば、既婚、子どもあり、フルタイム勤務のアラフォー女性に、ドモホルンリンクルのようなアイテム数の多い化粧品は受け入れられるでしょうか。おそらくむずかしいと思います。このカテゴリーの女性たちは「忙しいし疲れているのに、肌のためとはいえ、こんなに沢山のアイテムを使うのはめんどくさい」と思うでしょう。加えて、数多くのアイテムを買いそろえるにはお金もかかりますから、「お金は、自分の化粧品代よりも子どもの教育費に回したい」と考える人が想定されるからです。

 

ではどのような方がターゲットかというと、実際、テレビCMに登場しているような30代ぐらいの専業主婦です。忙しくはあるけれど、赤ちゃんがいて、店頭で自分のための化粧品を選んだり、試したりするのは難しそうな女性。産後は若い人でも髪の毛が抜けたり、肌質が不安定になったりするので、「彼女」も、30代ながら「年齢肌」が心配になるかもしれません。「私と一緒だわ」と思ってくれる層がターゲットなのです。

 

さらに、同メーカーが唱えている「年齢肌」に基づく肌の悩みの種類はとても多いので、「きっちり対応するにはこれだけのアイテム数が必要不可欠なんだ」という考え方も伺いしれるわけです。

 

ドモホルンリンクルなどは、極めて身近な女性たちを登場させることで成功しているわけですが、世界的なブランドの多くは、ブランド・ミューズとして、自分たちが提供したい「理想の美」を具現化する女優やモデルを起用していますよね。こちらは、高級品にお金をかけられるターゲットを狙っていることが一目瞭然です。

 

ターゲットが違えば、化粧品の中身、アイテム数、金額、イメージ戦略、パッケージ、すべて変わってきます。また、必要以上に具体化しなければ、星の数ほどあるライバルに打ち勝つ化粧品はつくれないのだと思っておきましょう。