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2016/04/14

Webサイトだからこそ重要な価格帯と品揃え

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綺麗創造ラボ

Webで商品を販売する際に、よく実店舗と比較します。
仮に、そのWebサイトを店舗に置き換えた場合をイメージした時、行きたいと思うような店舗になっているかということです。

 

もちろん、リアルとWebでは消費者の行動は多少異なってくるため、全てが同じという訳にはいきませんが、基本的にリアル店舗で重要なことはWebの店舗でも重要となってきます。今回は、その一つである商品の品揃え、そして価格帯についてお伝えしたいと思います。

 

リアルな店舗であれば、同商圏内の店舗のみが競合となってきますが、Webの場合は全ての店舗が競合となってきます。 また、簡単に比較検討ができるので、実はリアルな店舗以上に品揃えや価格設定は重要なのです。

 

まずは「価格帯での差別化」についてお伝えします。
皆さまも何か商品を買うときに、「あのサイトは安いものがたくさんある。あのサイトは高級商品が多い。」などと、自分の中で決まっていると思います。皆さまが立ち上げるWebサイトについても同様です。そのサイトに訪れるお客様もサイト全体の価格帯を見てどんなサイトなのかイメージします。

 

化粧品に関わらず、「価格」というものは、マーケティングを行う上で、切っても切り離せないものになっています。 そのため、価格においても自分のサイトの特徴を出す必要があるのです。これは別にセレクトショップ系のサイトに限らず、自社ブランド中心のサイトでも同様です。なぜなら、化粧品のブランド数はとても多く、同じ効能を謳っている商品でさえ数多あるからです。

 

では価格帯における差別化方法をお伝えしましょう。
次のグラフを見てください。

 

 ~1,000円~2,000円~3,000円~5,000円~10,000円
店舗A 25 15 15 2 3 60
店舗B 12 12 12 12 12 60
店舗C 3 5 8 21 23 60

 

価格帯における差別化方法

 

店舗A~Cは同じターゲットに対して展開している化粧品販売サイトです。グラフの縦軸は、取り扱っている化粧品の価格帯(例:~1,000円は1,000円未満商品)、横軸は、それぞれの価格帯の取り扱い数数となります。

 

店舗A~Cは、いずれも計60種類の商品を販売しているのですが、それを価格帯ごとにプロットすると上記グラフのように、お客様からすると全く異なる店舗とうつるのです。

 

さて、ではどの店舗がお客様からすると特徴のある店舗なのでしょうか。
一見、表の数字だけを見ると、店舗Bが、すべての価格帯を満遍なく揃えているように思います。しかし、これでは差別化はできていません。なぜなら、全ての価格帯において店舗A、あるいは店舗Cよりもアイテム数が少ないのです。

 

この場合、店舗Aが低価格帯、店舗Cが高価格帯の商品で展開しているので、その中間である中価格帯の商品を中心にアイテム数を多く取り揃えることで、他店舗とは異なる価格帯での差別化となります。

 

このように、競合店舗がどのような価格帯で展開しているのか調べた上で、自社サイトで販売する商品の価格帯を組み立てていくことは、とても重要です。

 

さて、次に考えたいのは、競合店舗と差別化する価格帯を選定した後、その価格帯を中心にどのような商品(価格)を揃えていくのかということです。

 

ここで1つ理解しておくべきなのは、何か商品を購入するに当って価格を比較するときに、消費者は、数字の「差」ではなく「比」で考えるということです。
例えば、ある化粧品販売サイトで、あなたの友人が10,000円の商品を、1割引の9,000円で購入したとします。それを教えてもらったあなたは、自分が5,000円の商品を購入するときには、きっと先ほどの顧客と同じ1割引である500円引きを期待すると思います。同じ割引金額である1,000円引きして欲しいとは言わないはずです。
このように、消費者は、心理的なものについては差ではなく、比で考えます。

 

MD(マーチャンダイジング)における平均も比で考えます。
例えば、最低価格が200円、最高価格が20,000円の品揃えの化粧品販売サイトがあったとします。
一般的に考えると、平均値は(200+20,000)÷2=10,100円なので、1万円くらいが中心価格帯と映っているように感じるかもしれませんが、そうではありません。このような場合におけるお客様が感じる心理的な中心価格を求める場合には、√を使います。
上の例の場合、(√200*20,000)=2,000円となります。2,000円がお客様の感じる価格の平均なのです。
一度よく購入するサイトの商品の価格について、前もって中心価格がいくらくらいと予想してから、各商品を調べてみてください。上記の通りに大体なっているはずです。

 

この応用で、先ほどの店舗Bにおける差別化できる価格帯が2,000円である場合、この価格帯を最も多く品揃えした上で、店舗の広さに応じて価格の幅を決めれば良いのです。
最低価格が200円であれば最高価格は20,000円、最低価格が500円であれば最高価格は8,000円となります。
このように、差別化できる価格帯が決まれば、あとは取り扱える商品数に応じて最低価格と最高価格を決めていけば良いのです。

 

一度あなたのサイトと競合サイトの価格帯と品揃えを調査してみてください。価格における差別化ができているかもとても重要です。

 

 

株式会社プラスリード 齋藤健太
  • ライター
  • 齋藤健太
  • 企業名:
    株式会社プラスリード
    専門領域:

    マーケティング支援

    ホームページ :
    http://www.pluslead-inc.com/
    化粧品事業のスタートに最も重要な事は? :

    販売する商品および店舗(ECサイト)におけるコンセプトとターゲットの一貫性

    プロフィール :

    慶応義塾大学理工学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。化粧品メーカーを中心に、様々な業種・企業のマーケティング分析、戦略構築を実践。約50社の化粧品メーカーを集めたセミナーの主宰も行う実績を持つ。現在、株式会社プラスリードの代表として、企業のマーケティング戦略の構築やコンサルティングを行っている。「問題解決のためのデータ分析」を2013年9月に出版。