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2015/09/15

通販で売るなら必見! 自社商品の強みはこうやって探す!

  • 化粧品通販事業
綺麗創造ラボ

薬事通販コンサルタントの(株)RCTジャパン代表の持田騎一郎です。薬事法を上手に利用したマーケティング(販促、集客)のことを薬事通販マーケティングと呼んでいます。化粧品、健康食品など通販においては、この薬事通販マーケティングを活用することで、売上アップが可能になります。

お客さんが商品を買う理由

前回は、お客さんがあなたの商品を買う理由は、「ベネフィットを得たいから」だとお伝えしました。
ベネフィットとは、「お客さんの問題点や悩みを解決してくれる効果」です。しかし、気を付けなければいけないのは、商品のベネフィット(売り)の部分は、自分の認識とお客さんの認識が大きく違う場合があることです。

 

たとえば、若い人向けの化粧品だと思って広告を出していたのに、実は、年配の女性の購入者が多かったり、効果がいいから売れていると思っていたに、実は、ニオイがよくて売れていたり、容量を大きくしてあげたら、コンパクトなところが人気だったり、自分の商品の良さは、なかなか自分ではわからないものです。
自分の商品の良さのことをマーケティング用語で、USP(ユニーク・セリング・プロポジション)といいます。独特の強みとか、売りという意味です。

USPを探るには、アンケート調査を行う

ある程度、商品の販売実績がある場合は、既存の購入者にアンケートをして、USP調査をする方法があります。なるべく、自由に書かせるフリー回答のアンケートがいいでしょう。

よくある、○をするだけのアンケート

*価格はいかがですか? (安い、適度、高い)
*商品のどこが気に入っていますか? (効果、価格、容量、ブランド、におい・・・)

このように、こちらで想定している文言だけでは、真のUSPは見つからないものです。新商品の場合は、想定する年齢層の人を集めて、グループインタビューする方法があります。

実は、進学率ではなかった中学受験塾のUSP

たとえば、こういう事例がありました。ある中学受験用の塾のWEB広告を作るにあたり、ライバルに勝つUSPをさぐる必要がありました。

 

塾は、慶応、学習院、早稲田、麻布、開成などそうそうたる名門中学に合格させた実績が売りがだと思っていました。しかし、実際にアンケートをとってみたら、意外なキーワードがありました。

 

「無料駐車場がある」

 

塾的には、ちょっと、がっかりな意見ですが、小学生の送り迎えを車でする親の立場としては、非常にありがたい設備です。塾としてある程度のレベルがあるので、+アルファの部分だと思います。

 

そこで、広告で「無料駐車場完備で送り迎えが楽々!」とどーんとうたったら、資料請求のコンバージョンが倍に跳ね上がったそうです。思い込みやひとりよがりは、仕事でも、人生でもうまくいかないものです。

 

アンケート調査でUSPを探す

 

人気商品=売上を伸ばす商品ではない

次に、調べなければいけないのは、いくつか商品を持っている場合、

たとえば、石けん、化粧水、美容液、クリーム、ファンデ……などいろいろな種類の商品をもっている場合、最初に購入される人気商品が、必ずしも、リピート商品ではないケースがあります。

 

たとえば、ある化粧品会社で、新規購入した商品と2度目に購入した商品を調査したことがありました。新規の一番人気は、ファンデーションでしたが、2度目の購入にいたる確率はあまりよくありませんでした。最初に、石けんを買ったお客さんの方が、2度目に石けんや他の商品を購入する確率が高いことがわかったのです。

 

最初に購入した商品ごとに、1年間の購入金額を調べる

さらに、初回購入商品ごとに、1年間の購入金額を調べると、新規で石けんを買ったお客さんの金額は、他のどの商品を最初に買ったものよりも高く、さらに、3年以上買い続けるロイヤルカスタマーになっていることが分かったのです。

 

そこで、その化粧品会社は、新規客を獲得するためのフロント商品をファンデではなく、石けんにシフトしたところ、売上が、すぐに、3倍になったそうです。

 

リピートこそ通販の命

 

「売上=新規客数 x リピート回数 x 客単価」

 

これは、マーケティングの常識ですが、どうしても、客数に目が行ってしまい、なかなかリピートや客単価をしっかり計測している企業は少ないようです。

 

このような、1人の1年間の顧客購入金額を、LTV(ライフ・タイム・ヴァリュー)といいますが、このLTV金額に注目して、わずか、10年で200億円企業に成長したのが、福岡の健康食品会社の「やずや」さんです。

通販成功の大原則 「薬事広告で新規を取り、LTVを上げる」

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LTVに注目した商品開発

1人のお客さんが、1年間(期間設定は企業によってまちまち)に購入してくれた金額=LTVに注目すべきです。健康食品や化粧品で、億を稼ぐ通販長者が次々に生まれているのは、このLTVに注目した「リピート通販」のビジネスモデルができているからです。ですから、「1回買って終わり」という商品開発は、手間がかかるばかりで、たいした売上になりません。お客さんの悩みを「長期」にわたってサポートする「売り」のある商品を作らないといけません。

 

しかし、1回買ったら終わりという商品だからダメというわけではなく、それをフックに、リピートへ持ち込むというスキームがあるとよいです。1回買ったら終わりの商品に、「美容器具」をあてがうことで、化粧品薬事をうまくマネージすることが可能です。

美顔器+美容液の組み合わせ

たとえば、健食、化粧品通販で大成功して、上場を果たしたK社の戦略はこうです。

 

通常、25,000円するEMS美顔器を、なんと、97%OFFの980円として販売しました。普通に考えると、原価が5000円くらいしますから、大損です。しかし、K社は、980円で買うための条件として、4980円の美容液の毎月定期購入を契約する「しばり条件」をつけました。

 

こうなると、980+4980x12ヶ月=60,740円の売上(LTV)が確定します。美顔器は、送料代が出れば、それでOKくらいのつもりだったのです。こうやって、K社は急成長したのです。

 

と、ここまでの説明でも十分マーケティングの原則、「フロントエンド商品+バックエンド商品」の仕組みができていてすごいのですが、このK社の社長が、美顔器を選らんだのには、薬事法的な意味がありました。

 

化粧品で言えないことを言える、美顔器

化粧品の薬事法は非常に厳しいものです。がんじがらめです。一般化粧品では、56の効能効果しか言えません。たとえば、中高年女性のお悩みで多いのは、「シワを消したい」、「たるみをリフトアップしたい」あたりではないでしょうか?

 

しかし、この効果は、化粧品広告ではうたえません。でも、EMSの美顔器なら、この効果がうたえます。

 

なぜか?

 

美顔器は、化粧品ではないからです。
薬事法的には、美顔器は「物理的な電気振動の力で、上記のような効果を発生させる」ので、薬や化粧品による効果ではないからです。問題になるのは、本当にそういう効果があるかどうかという、景表法の問題になります。

 

薬事法のひねりで美容液を売る

ですから、美顔器で「シワ撃退!」「たるんだお肌をリフトアップ!」とうたえるとすると、化粧品で言えない効果を美顔器が代わりに言ってくれています。

 

しかも、98%OFFの、980円です。

 

シワを撃退したい人や、たるみ肌をリフトアップさせたい人は、当然、それに効果のある化粧品も欲しいはずですから、「美顔器+シワ&たるみ用化粧品」の組み合わせは、顧客満足度も高くなります。

 

このような、「薬事法のひねり」をきかせることで、さらに、最初の食い付き(コンバージョン)がよくなります。

 

薬事法で言えない効果

 

 

このような、

「徹底したアンケートによるUSP調査」
   ↓
「薬事広告マーケティングによる新規顧客獲得」
   ↓
「リピート通販マーケティングによるLTVの拡大」

 

これができることで、ライバルに大きく差を付けることが可能です。

 

 

 

 

 

RCTジャパン持田 騎一郎
  • ライター
  • 持田 騎一郎
  • 企業名:
    株式会社 RCTジャパン(代表取締役)
    専門領域:
    化粧品、健康食品、医療機器、クリニック、薬局の薬事広告コンサル、通販コンサル、WEBコンサル
    ホームページ:
    http://www.rctjapan.org/
    化粧品事業のスタートに最も重要な事は?:

    化粧品の通販事業を始める時に、まず考えるべきポイントは、見込み客と販路です。

    いい商品、いい成分ではありません。

     

    まず、見込み客を絞りこみます。見込み客とは、なんらかの問題を持っていて、あなたの商品を買ってくれるかもしれないお客さんです。あなたの商品が、解決策を提示できれば、購入にいたります。

    次に、販路とは、WEB通販なのか、リアル店舗なのかを決めることです。

    WEBでは商品を手に取れませんので、いかに、その商品が信頼できる素晴らしい商品であるかをホームページ(LP)で広告しないといけません。

     

    一方のリアル店舗では、ライバル商品が並ぶ中で、いかに自分の商品を目立たせるか、手に取ってもらえるかが重要ですので、商品パッケージでの広告力が問われます。

    美白ブームだから、美白化粧品を作ろう!という安易な発想では、確実に失敗します。

    プロフィール :

    1962年、東京生まれ。一橋大学法学部卒業。

    日本IBMで最先端のIT技術とセールステクニックを学び、トップセールスとなる。

    その後、ニッポン放送、J-WAVE、NOTTVなどマスコミへ転身。

    ラジオ、TVの制作プロデューサーとして長らく活躍し、ヒット番組、ヒット広告を多数生みだす。

    薬事法ドットコムにて、薬事法、景表法を学び、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格をとり、健食、化粧品、医療機器の薬事広告手法を取得し、コンサルとなる。

    薬事広告+WEBマーケを組み合わせたハイブリッドコンサルを提唱し、年50回以上のセミナー講師、100件以上のコンサル実績を誇る。

    RCTジャパンを設立し、健食新制度「機能性表示食品」のコンサル業務を開始。