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2015/05/11

薬事法マーケティングによる通販化粧品開発

  • マーケティング
綺麗創造ラボ

薬事通販コンサルタントの(株)RTCジャパン代表の持田騎一郎です。薬事法を上手に利用したマーケティング(販促、集客)のことを【薬事通販マーケティング】と呼んでいます。化粧品、健康食品など通販においては、この薬事通販マーケティングを活用することで、売上アップが可能になります。今回は、化粧品の新商品開発と薬事通販マーケティングの関係をお話ししたいと思います。

 

新商品開発で、一番失敗するパターンは?

新しく事業を立ち上げたばかりの時は、夢と希望にあふれていますから、流行のジャンル、新しい成分、人気の成分、全てが新鮮で、あれもこれもと目移りしてしまうでしょう。ここで一番失敗するパターンは、「話題の新成分配合!」という化粧品をいきなり仕入れてしまうことです。

 

なぜ、いきなり商品を仕入れてはいけないのか?

それは、広告ができないからです。

 

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「リンゴ幹細胞エキス配合アンチエイジング化粧品」という商品があった場合。「iPS細胞で話題だから、幹細胞化粧品は売れますよ。」とか、「そのリンゴは4ヶ月腐らないスイス産。効果が違います。」とか、メーカーの魅力的なセールストークで、仕入れる契約をしたとしましょう。ところが、いざ、LP(ランディングページ)を作り、広告をしようと思ったら……

 

幹細胞」はNG
アンチエイジング」はNG
4ヶ月腐らないスイス産りんご成分で老化防止」はNG
効果が違う」はNG

 

NGのオンパレードで、Yahoo、Googleの薬事審査で落ちます。

 

失敗の原因は、薬事法の知識不足

薬事法を知らないWEBデザイナーに頼んでしまうと、こういうLPができあがってきます。この場合の対応方法を簡単にご説明しておくと……

 

「幹細胞」はNG
⇒ 業界自主規制で「細胞」は使えない。削除。

 

「アンチエイジング」はNG
⇒効果効能外。「エイジングケア」と言い換える

 

「4ヶ月腐らないスイス産りんご成分で老化防止」はNG
⇒「4ヶ月腐らない」は景表法的に微妙。
「腐りづらい」「いつまでもみずみずしい」くらいに弱める。「老化防止」は効果効能外。

 

「効果が違う」はNG
⇒他社誹謗。「効果が持続します」など。

しかし、WEBデザイナーだけの問題ではありません。そもそも、ちゃんと広告できる商品を開発しないといけないのです。

 

薬事法マーケティングによる新商品開発方法

まず、新商品を作る場合、以下の手順をおすすめしています。

 

(1)商品キーワードの選定
 ↓
(2)薬事的なリアリティチェック
 ↓
(3)商品の市場ニーズの調査
 ↓
(4)モニターテスト
 ↓
(5)成分の決定、容量の決定、ボトルの決定
 ↓
(6)ボトルデザインの決定(表記の薬事チェック)
 ↓
(7)LPの製作(LP素材の収集)

 

1:商品キーワードの選定

まず、すべきことは、開発しようと思っている商品のキーワードを決めることです。つまり、「何用の化粧品か?」ということです。では、手順をご説明します。

 

(1)化粧品の効果効能表

下記、化粧品の効果効能表プリントアウトしてください。

 

一般化粧品の効能表
http://www.yakujihou.com/content/pdf/5-C.pdf

 

医薬部外品の効能表
http://www.yakujihou.com/content/pdf/4-D.pdf

 

この効能表から、攻めたいキーワードを探します。

ある化粧品を買おうと思ったら、あなたはどうしますか? いきなり、ドラッグストアに行く人もいるかもしれませんが、普通、スマホなどで、その化粧品のキーワードを検索しますよね? ですから、ユーザーが一番検索しているキーワードをネットで探せばいいのです。

 

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(2)キーワードの探し方

【1】PCか、タブレットを立ち上げて、Google AdWordsの「キーワードプランナー」にアクセスし、ログインしてください。
※Googleアカウントが必要です。

 

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【2】キーワードプランナーの中の「新しいキーワードと広告グル―プの候補を検索」を選んでください。

 

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【3】キーワードで検索

「宣伝する商品やサービス」の項目にキーワードを入力します。例えば、ニキビ用化粧品で行くなら、ここに「ニキビ」と入れ、検索します。すると、グラフとともに、月間平均検索ボリューム数と推奨入札単価が表示されます。「キーワード候補」のタブを選ぶとニキビとその関連するキーワードの検索ボリュームも分かります。

 

  • 「ニキビ」90,500件、545円
  • 「背中ニキビ」40,500件、447円
  • 「ニキビ 化粧品」1,900件、304円

 

などなど

カタカナ、ひらがなで数値が違いますので、いろいろ入力してみてください。

 

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(3)キーワードプランナーの結果の見方

合格ラインは、月間検索が、1万件以上あれば、OKですが、入札単価は、500円以下がいいです。なぜかというと、検索で出てくるPPC広告は、クリックごとに広告費を支払うので、1クリックごとで、500円かかるわけです。PPC広告をクリックして、LPに飛んできて、だいたい1%がコンバージョン(受注)すれば、OKと言われていますので、100件の受注を取るには、1万クリックが必要です。

 

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となると……

 

@500円x1万クリック=500万円

 

500万円の広告費がかかるわけです。

 

500万円÷100人=1万円

 

新規顧客獲得単価:CPR(CPA)は、1万円以下にしたいからです。

 

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(4)複合キーワードで行く

分かりますか? 少々難しいでしょうか?

 

話を元に戻すと……

「ニキビ」単体のワードは、ボリューム数的にOKですが、入札単価が、500円以上なので、ニキビで行きたい場合は、複合キーワードで行く必要があります。

先程の「背中 ニキビ」は、40,500件、447円。

入札単価がやや高いですが、ボリューム数的に悪くないなと、分かります。

 

念のため、キーワードプランナーに「背中 ニキビ」を再度入力し、月別の単体の検索数の推移を見ると、やはり、背中ですので、秋冬は下がりますが、それでも1万件以上の検索数は維持されています。

 

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2:薬事的なリアリティチェック

「背中 ニキビ」用化粧品で行こう! と決めた場合、次に、薬事的にどんな形態の商品にできるか? を考えないといけません。一般化粧品なら、石けんか、クレンジングですし、医薬部外品なら、浴用剤、化粧水、クリーム、乳液など幅広いジャンルの商品が選べます。このように、商品を決める場合には、まず、キーワード調査から開始してください。

 

急がば回れ。

いきなり商品を仕入れてしまうのだけは、是非、止めて下さい。まずは、ニーズを探すことから始めてください。ニーズは、キーワードプランナーで探せます。自分では分からないという方は、サティス製薬さん、または、私までご相談ください。次回以降は、もう少し、キーワード選定について詳しくお話ししていきたいと思います。