はじめまして。株式会社プラスリードの齋藤と申します。
弊社では、化粧品メーカーやアパレル企業様を中心に、マーケティングリサーチやデータ分析、事業計画策定や戦略構築などのコンサルティングを行っております。
また、複数社Webサイトの立ち上げや運用も行っております。
前職である(株)船井総合研究所時代には、化粧品メーカー様数十社を集またセミナーも開催してきました。
このように、化粧品業界においては、約十年に渡り上流工程である戦略構築~下流工程であるWebサイト構築・運営や販促支援など、一貫して行ってきております。
本コラムでは、化粧品通販事業をこれから始められようと考えていらっしゃる方に、化粧品マーケティングについてお伝えしていきます。
さて、第一回目の今回ですが、タイトルにもあるように「戦略」の重要性についてお伝えします。皆さまは、「戦略」「戦術」「戦闘」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。
事業を推進する際、この戦略、戦術、戦闘に基づいて進めることが重要となります。戦略とは、中長期的(3~5年)なスパンで考える目標です。事業全体の方向性を指し示すものになります。戦術とは、戦略に基づいた施策内容になります。年次、あるいは四半期~半期ごとの大まかな計画です。そして、実際に日次~月次の行動に落とし込んだものが戦闘となります。
大量生産・大量販売のビジネスモデルが成り立っていたバブル経済までは、戦略がなくても作れば売れる時代でした。今まで行ってきた延長線上で効率化を追求しさえすれば、売上や利益が十分確保できたのです。つまり、「大量生産・大量販売」のビジネスモデルという「戦略」が、日本の企業すべてに当てはまっていたのです。
しかし、バブル経済以降、右肩上がりの経済成長が崩壊し、中国をはじめとするアジア諸国の台頭により、デフレ経済に拍車をかけ、個々の企業に戦略がなければ勝つことができない時代となりました。
さらに生産や販売のグローバル化の進展により、世界レベルでの競争が激化し、戦略が曖昧な企業は勝てなくなってきているのです。このような背景からもわかるように、最も重要なのが「戦略」であり、この戦略に基づき、「戦術」→「戦闘」へと落とし込んでいきます。戦略~戦術~戦闘の一貫性がとても重要なのです。
さて、それでは皆様が考えられている「化粧品通販」とは何でしょうか。
「化粧品を通販で販売する」ということでしたら「戦術」に当たりますし、「自社ECサイトから注文の入ったお客様に対して注文確認メールを送る」ということでしたら「戦闘」に当たります。
では「戦略」とは何でしょうか。
「化粧品通販」を戦略として翻訳する場合は「化粧品通販事業の実現」が適切かと思います。そう、一口に「化粧品通販」と言っても、捉え方によって戦略になったり戦術になったり戦闘になったりするのです。この部分を念頭に入れて、全体設計をする必要があります。戦略ありきの戦術、戦闘であるため、まずは戦略をしっかりと構築することが重要です。しかし、具体的な施策内容である「戦術」「戦闘」から入ってしまっているケースを多く見かけます。ぜひ一度皆様の「化粧品通販事業」について、確認してみてください。
最後に、この戦略~戦術~戦闘について事例を記載しますので、あなたの事業に当てはめて確認してみてください。
【戦略】
働く女性をターゲットに3年後に「化粧品通販事業の実現」
【戦術】
・Webサイトの構築、運営
・注文者へ商品を届けるための物流の仕組み構築
・商品ラインナップの拡充
・人員確保および教育
etc…
【戦闘】
・日々のアクセス状況の分析、SEO対策
・注文者へ即日配送
・月ごとのキャンペーン内容
・始業前の朝礼
etc…
上記事例からもわかるように、「戦略」とは「何を実現するのか」であり、一方「戦術」や「戦闘」は「どのように実現するのか」になります。
これから化粧品通販事業に参入する皆さま、ぜひ今一度「何を実現するのか」を明確にイメージしてみてください。
マーケティング支援
販売する商品および店舗(ECサイト)におけるコンセプトとターゲットの一貫性
慶応義塾大学理工学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。化粧品メーカーを中心に、様々な業種・企業のマーケティング分析、戦略構築を実践。約50社の化粧品メーカーを集めたセミナーの主宰も行う実績を持つ。現在、株式会社プラスリードの代表として、企業のマーケティング戦略の構築やコンサルティングを行っている。「問題解決のためのデータ分析」を2013年9月に出版。