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2015/04/23

助成金と補助金、何が違うの? どこに注意すべき?

  • 起業・新規事業
綺麗創造ラボ

起業時には、少しでも多くの資金を調達し、開業費のみならず、その後の運転資金をしっかりとプールしておくことが大切です。国や自治体による助成金・補助金には、創業から設備投資、雇用までに対応するさまざまなものがあるので、ドンドン活用し、もらえるお金はしっかりともらっておきましょう。今回は、助成金と補助金に一体どんな違いがあるのか、申請前にどんな点に注意すべきなのかといったポイントを解説します。

 

 

そもそも助成金と補助金って一体どういうものなの?

 

助成金・補助金とは、国や地方公共団体から支給される「原則返済する義務のないお金」のことです。もちろん、公的な資金が財源となっているため、支給のためには申請や審査が必要であり、一定の資格を必要とするケースもあります。

年度ごとの中小企業施策に合わせ、創業支援から、雇用、設備投資、新規事業のスタートまで、経営におけるさまざまな支援を目的とする助成金・補助金の募集が行われます。募集時期や条件などもそれぞれに違うので、まずは自分に合うものを探すことから始めましょう。

 

中小企業庁が開設した中小企業・小規模事業者の支援情報サイト「ミラサポ」(https://www.mirasapo.jp)には、「補助金・助成金早わかりガイド」が掲載されており、最新の情報をチェックすることができます。

 

 

助成金と補助金、それぞれの違いとは?申請前にはココに注意!

 

 

それでは、ここで助成金と補助金の違いは一体何なのかを解説していきましょう。

 

☆助成金

→ ・採択件数が決まっていないため、原則、資格要件を満たせば受けられる

  ・所定の様式に従って申請を行えばOK

 

☆補助金

→ ・採択件数や予算上限が決まっているため、書類などによる審査がある

  ・申請書類におけるアピールが必要

 

まず、助成金については採択件数が決まっていないため、資格要件を満たしていればほぼ受けられる可能性が高いです。

一方、補助金については採択件数が決まっており、一カ月程度の公募期間をもうけることが一般的です。基本的に、採択件数を応募件数が上回るものなので、提出書類でその妥当性や必要性をアピールできなければ採択に至らないと考えましょう。

 

 

どちらも後払いのケースがほとんど。補助金にはさらに細かい注意も必要

 

 

助成金も補助金も、「後払い」のケースがほとんどです。

例えば、総額300万円の経費がかかる事業に対し、3分の1を補助・助成する場合、100万円を先にもらえるわけではないため、最初の時点で300万円を用意しておかなくては事業が進められなくなってしまいます。

あくまで「後払い」であることを念頭に置き、申請した事業の総額と同じ金額を用意できるよう準備しましょう。

 

さらに!

補助金については、一定の事業期間を対象と定めることが多いため、下記の点にも注意が必要です。

 

(1)支出する時期に注意!

基本的に補助金で認められる経費は、定められた事業期間に支出した経費のみです。それ以外の期間の支出については認めてもらえない可能性が高くなります。また、事業期間は年度末より少し早めに設定されていることも多いので注意しましょう。

 

Ex)事業期間が「8月1日から2月28日まで」の場合

→ 7月31日の支出、3月1日の支出は認められない!

 

 

(2)事業期間終了後に必要書類の提出が必要

補助金を「後払い」してもらうためには、事業期間が終了した後、所定の期間内に報告書や支払証憑類を提出しなくてはなりません。この書類がきちんと整備されていなかったり、目的外の部分に経費を支出している場合、補助金そのものが支払われなくなる可能性があります。

 

Ex)「試作」に対する補助金の場合

→ 試作に関係する資料の購入費用=○

  量産用の機械の購入費用=×

 

※量産用の機械が必要な場合、リース、もしくはレンタルという形をとり、試作段階の期間(かつ、補助期間内)の分だけ補助してもらうことは可能です。

 

また、補助金受給から5年以内に会計検査院の検査を受ける可能性もあるので、正当な目的で費用支出し、しっかりと事務処理を行うように注意しましょう。

 

 

返済義務がないメリットだけでなく、デメリットも把握しておくこと

 

 

助成金にも補助金にも返済義務がないという大きなメリットはありますが、デメリットもしっかり把握したうえで申請しましょう。

 

(1)事務処理は当然増加する!

 

国のお金をもらうため、きちんとした経理上の事務処理を行うことは必須のため、事務処理も当然増加します。特に補助金の場合、見積書、納品書、請求書、領収書、通帳の控えなどは保管しておく必要があります。また、会議報告書や出張報告書などの各種報告書が必要な場合もありますし、支出を証明する様々な書類は一定期間保管しておくことが求められます。事業期間が終了した後も、年次報告が義務付けられているケースもあるので注意を。

 

(2)期間や購入する物品が制約される!

 

補助事業については事業期間が定められており、期間以前の工事着工や事後清算は認められないため、事業への着手が遅れ、好機を逃してしまう可能性もあります。また、補助金で購入したものについては、廃棄や売却などが制限されることもあるので、事業終了後に影響を与えることも加味しておきましょう。

 

(3)資格要件に振り回される可能性も!

 

助成金や補助金を申請するためには資格要件を満たすことが前提となりますが、これに振り回されて失敗するケースも多くあります。

例えば、「正社員雇用数名につき、数百万円もらえる」という補助金に合わせ、まだ人手を増やさなくてもいい企業が新たに正社員を雇用したら? 事業計画外の人件費に四苦八苦するという可能性も少なくはありません。一度正社員として雇い入れたなら、そう簡単に解雇することはできないので、長期的に見れば雇用にかかる人件費のほうが補助金を上回ることになってしまいます。

こうした失敗をしないためにも、自分の事業計画に合ったものを選ぶことが大切です。

 

 

メリットだけでなく、諸々のデメリットや注意点も踏まえること、そして、事業に計画性を持ったうえで、上手に助成金・補助金を活用していきましょう。