独立前に誰にも相談せず、自分だけで準備を進めようと思っていませんか? 「初歩的なことを聞くのは恥ずかしい」「まだ人に話す段階じゃないから」と考える人は多いようですが、ビジネスプランのブラッシュアップや情報収集のためにも、ドンドン相談していくことが大事です。
今回は、「どこに相談すればいいのかわからない」という人のために、無料で相談できる公的機関の窓口をご紹介します。
代表的なものとしては、国による中小企業機構基盤整備機構の窓口相談、各自治体による都道府県の支援機関、商工業者の団体である商工会・商工会議所、日本政策金融公庫などが挙げられます。それぞれの特徴を見てみましょう。
・事業計画の作成や融資などの創業相談はもちろん、法律や助成金、各種制度などの専門的な相談もできるところが特徴です。
・国単位、県単位など、網羅する規模が大きいため、スケールの大きなビジネスの相談にも向いています。
☆中小機構による全国9カ所の地域本部
→経験豊富な専門家・アドバイザーが常駐し、経営や技術などに関する相談に対応してくれます。また、インターネットや電話での相談も可能です。
☆ 中小機構による都道府県別「よろず支援拠点」
→全国各地の都道府県に設置。コーディネーターを中心とする専門スタッフがチームを組み、難しい相談にも対応。適切な解決方法を提案してくれます。
→地域の支援機関とのネットワークを活用。経営課題に応じ、的確な支援機関などを紹介してくれます。
☆東京中小企業振興公社
→中小企業診断士や税理士、弁護士などが日替わりで常駐。経営全般、経営改善・資金繰り、創業、IT関連、労務、税務、ビジネスプラン、デザインなどの幅広い分野の経営相談を一カ所の窓口で受け付けてくれます。相談したい内容を電話予約時に伝えれば、くわしい専門家に振り分けてくれるので安心です。
☆ 神戸開業支援コンシェルジュ
→神戸市と各支援機関が連携する形で、起業のそれぞれのステージ合わせた支援をしてくれます。横断的に連携をしているため、縦割りの支援ではな、く、どこの支援機関で相談をした場合でも、同じ支援を受けることができます。
・ 全国各地の町村部や都市部にあり、地域事情にくわしい商工会・商工会議所。事業計画や資金調達などの相談はもちろん、開業時の身近な悩み相談ができたり、物件立地の商圏情報のアドバイスもしてくれます。
・ 地域の商工業者が会員となっているため、同じジャンルで開業している先輩起業家を紹介してくれたり、取引先の開拓相談にも乗ってくれます。
☆ 商工会とは?
→町村の区域を管轄し、特に小規模事業施策に重点を置いています。
☆ 商工会議所とは?
→都市部の区域を管轄し、中小企業支援だけでなく、国際的な活動を含めた幅広い事業を実施しています。
※商工会議所と商工会の地区は重複しないため、事業所の所在地によってどちらに入るかは自然と決まるようですが、より地域に密着しているのは商工会と言えそうです。
・2012年から全国152支店に「創業サポートデスク」を設置。専任の担当者が、創業計画の立て方や事業計画書の作成方法、融資申し込みの流れ、融資制度等について相談に乗ってくれます。
・平日の営業時間内に訪問できない人のために、休日や夜間にも全国の商工会議所や支援機関で予約制の出張相談を行っています。
「相談するにはまだ早い」「直接出かける勇気がない」という人は、大手起業サイトの無料ネット相談を活用してみるのもいいでしょう。ただし、ネットを介したメール相談は、個別の状況に合わせた回答をすることが難しいため、あくまで一般的な回答を知るためのものと考えましょう。
☆ ドリームゲート
→起業支援の専門ポータルサイト。「脱サラに役立つQ&A」など、テーマ別に過去の質問を集約したコーナーもあります。オンライン相談は、原則24時間以内に回答してくれるので非常にスピーディーな対応が特徴です。
☆ 専門家プロファイル
→オールジャンルの専門家サイト。もともとはAll Aboutが運営していましたが、現在は分社化される形で運営しています。相談できそうな専門家を探せる検索機能に加え、相談したい内容に関連するQ&Aや専門家によるコラムを探すことができるキーワード検索機能もあります。
独立準備においては、多面的な角度から意見をもらうことが重要です。事業計画の見直しや、ビジネスプランのブラッシュアップ、多様な支援情報の収集などに役立ちますし、その結果、融資を受けやすくなるだけでなく、あなたのビジネスそのものの成功率をアップすることができるのです。
「まだ早い」と思わずに、初期の段階から専門家に相談していくことをお勧めします。